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2026/08/25

『NO PARKING』(田川 和彦 #30)


『NO RARKING』

 ネグラの小屋は解体され、漁港改修工事も始まり、
何度か通うも会えずに過ぎた3ヶ月。

変わり行く環境・景色の中で、たくましく過ごしていた愛しい漁港の猫。
ここは車の駐車を拒むも、門番の白猫は再会を拒まずにいてくれた。

・CANON R6m2 ・RF85mm  F1.2  L USM 

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 秋田日本海沿岸部の小さな漁港。
もう10年ほど、ここに棲みつく野良猫を追いかけて撮って来た。
大好きだった銀子ママとは逢えなくなってすでに1年半。

小さな漁港は毎年改修工事が行われ、
高齢で廃業したり亡くなった漁師の船や小屋も整理れ、
その都度ネグラを追われ居場所を変えていた野良猫達。

今年の春頃まで棲んでいた入口の近くの小屋は既に解体され更地になり、
何度足を運んでも野良猫達に逢えず厳しい夏を迎えて3カ月が過ぎていた。

工事車両で一杯の漁港の入り口には「無断駐車禁止」のロードコーンと看板が立ち並び、
既に人間の境界線が引かれていた。

少し寂しさを覚えながら歩を進めると、
そのバリケードの最下部、アスファルトの地べたに、
見覚えのある「純白の影」が鎮座していた。

まるで自分がその看板の主(あるじ)であるかのように、
厳しい眼光で港を監視している。
そのスフィンクスのような佇まいに、思わずシャッターを切った。

まだ厳しい季節だけれど、また逢えて安堵した、夏の夕刻。

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【モノクロ版:光と影の粒子のなかに】
カラー版が持つ「現実のディテール」を一度削ぎ落とし、
純粋な光と影の階調だけで再構成したモノクロームの世界。
意識したのは、かつての名作映画(ジャン・ルノワール監督の作品など)が持っていた、
柔らかくも芯のある、あのクラシカルな光の質感。


カラーで切り取ると、看板の赤・黄色と、彼の白の対比が、
どこかコミカルでシュールなユーモアを醸し出す。

一方で、現像で色を排しモノクロームに落とし込むと、
日本海の重い空気感、古タイヤの硬質なテクスチャ、
そして彼の毛並みの柔らかさが浮き彫りになり、
画面全体を包むしっとりとした空気の粒子。
静謐でありながら酷な沿岸を生き抜く、
命のドキュメンタリーへと姿を変える。

色をなくすことで、むしろその場の「温度」や「静けさ」が際立ち、
まるでフランスの古い銀塩映画のワンシーンのような情緒が生まれような気がします。

この後、他の仲間たちも現れ、何とか無事を確認できた夏の日。


@takazu.com



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